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ヒビノコエ

日々徒然与太話やちょっぴしミリタリネタなど好き勝手に呟く場所。腐発言、オタ発言注意ですよ。
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そして優しい雨は止む 

零小説第三弾ですね。
今回は螢の一人称シリアスです。
腐要素全くない優雨×螢もしくは螢×優雨になるのかな?
腐要素ないなら掛け算する必要ないですが(笑)
時系列的には怜さんが零華さんを倒して、涯へ二人を送り出してる辺りですかね。

怜さんとお別れをするなら、親友だった螢ともお別れしちゃっていいじゃないのよう!という管理人の妄想から生まれました(笑)
本文は追記よりどうぞー(o・ω・)ノ

「・・・刺青木穿ち・・・穿ちて・・・戒ノ儀すべし・・・・・久遠に・・・鎮め・・・鎮めて・・・・・・っ!?」

「そんな・・・はずは・・・・・・」

戒ノ儀の為の刺青木を屋敷中から集め刺獄へと向かった俺は、目の前の事態を飲み込めずにいた。
おかしい。そんなはずはない。
まだ穿たれていない巫女が、彷徨っていたのではないのか?
祓いの灯火が置かれたそのまさに横、件の巫女が横たわっていた。
四肢を杭で穿たれて。

キィン

すでに聞き覚えのある金属を打ち付けるような音が、俺のすぐ側で聞こえる。
巫女に深々と刺さった刺青木が、金属音と共に独りでに抜けていくのを、どこか遠い場所の出来事のように俺は呆然と見つめていた。

逃げないと
ここから逃げて、目を覚まさないと

頭ではそう理解しているのに、瘴気で重くなった体は言うことを利いてくれず、ただ刺青木が抜けていくのを見つめるほかなかった。

『もう・・・出られない・・・・・・』

巫女がありえない動作で起き上がり、俺を見つめて呟く。
暗く沈んだ目が俺を捉えたのと同時に、弾かれたように背を向けて刺獄を抜け出そうとしたが、遠のく意識の片隅で見えたのは、音をたてて閉まる外への扉だった・・・。





ああ、暗い・・・
刺青が痛い・・・
苦しい・・・
息が、出来ない・・・
もう、見たくない・・・
もう、出られない・・・





目は何も映さず、体は穿たれたかのように重く動かない。
俺はこのまま、失踪者となるのだろうか。澪と共に・・・

「目を、開けて・・・・・・螢・・・」

どこか遠くのようで近くのような場所から、聞き覚えのある声が聞こえた気がして、俺は小さく身じろいだ。
目を覚ますべきなのか動くべきなのか、まだ覚醒しきっていない頭では判断が出来ず、瞼を開けようにも鉛のように重くて開けることが酷く面倒のように感じられる。
それでも、再び聞こえたその聞き覚えのある声に意識は完全に覚醒し、跳ねるようにその場から身を起こした。

「しっかりしてくれ・・・螢・・・・・・」

ぼんやりと光っているようにも見えるその体は向こう側が透け、到底生きている人間とは思えなかった。
それでも、見間違えるはずがない。
柔らかい直毛の毛。つり目ではあるが優しそうな顔立ち。
そして、低く柔らかな聞き覚えのあるその声・・・

「優雨・・・っ!」

儚げな笑みを浮かべた友人が、そこにいた。

「優雨・・・・・・・・・」

何か声をかけるべきなのだろう。状況がさっぱり飲み込めないままであるし、自分が生きているのかすでに死んでいて、優雨が『お迎え』なのかもわからないでいたが、それでも何か声をかけるべきなのだ。
けれど、何も言葉が紡げなかった。

どうして

その想いだけが胸を駆け巡り、頭の中を飛び回って他に言葉が浮かばない。
そんな俺を悟ってか、優雨は一歩俺の前に踏み出し、片膝を地について俺に目線を合わせてきた。

「すべて、終わったよ・・・螢。もう・・・終わったんだ・・・」

「・・・・・・っ・・・」

儚げで優しい笑顔で優雨が紡ぐのは、終息の告げなのだろうか。それとも、終焉の告げなのだろうか。

「もう、目覚めていいんだ・・・」

ああ、俺は死んだわけではなかったのか。
安堵の気持ちがこみ上げてきたが、それと同時に何故か落胆する自分もいて、俺は目を大きく見開いた。

「僕は・・・もう逝かないと・・・。ありがとう・・・」

「・・・・・・して・・・」

優雨が言い切らないうちに、俺の理性とは裏腹に言葉が勝手に唇から発せられる。

「どうして・・・!どうしておいていくんだ・・・!お前も!真冬も!俺を置いていかないでくれ・・・!」

優雨から真冬が行方不明になったと聞いた時も、怜から優雨の死を告げられた時も、心が張り裂けそうだった。
泣き叫びたかった。悲しみをあらわにしたかった。
けれど、出来なかった。心にぽっかりと穴が開いたように空虚な気分になるだけで、悲しみを上手く表に出すことが出来なかった。
その空虚な場所に沈むのは【どうして俺だけ】という感情。

どうして俺だけ置いていかれたのだろう。
どうして俺だけ生きているのだろう。
どうして
どうして
どうしてどうしてどうしてどうしてどうして!!!
真冬に言わせれば、そういう運命だから。なのだろうか
優雨に言わせれば、そういう流れだから。なのだろうか
空虚だと思っていた場所から悲しみとも憎しみとも思えない深く暗いモノがあふれ出し、それは俺の頬を伝って涙としてその場に具現していった。

「どうして俺一人だけ・・・置いていくんだ・・・!優雨・・・逝かないでくれ・・・!」

「ごめん・・・。でも、僕はもう、逝かないと・・・。道が開いたんだ・・・もう、留まることは・・・」

そんな俺を儚げで悲しげな目で見下ろし、首を横に振る優雨の顔が涙で滲み、ぼんやりとしていく。
これはただの我侭だ。わかっている。わかってるんだ。
見送らなくてはいけない。道が開いたのに、留まるということがどれだけ悲しくて霊にとってよくないことかは、眠りの家を奔走した俺ならよくわかっている。
でも、感情がついてこないだ。わかるだろ?なぁ、優雨・・・
俺はどうしたらいい・・・?

「・・・・・・怜も、真冬の妹さんも・・・君と同じ痛みを持っている・・・。君と同じ欠片を持ってる・・・だから・・・」

優雨の最後の言葉を聞いた俺は目を閉じて、涙を一筋流した。
そうだな、優雨。ああ、そうだ。
俺や怜・・・深紅くんまで・・・そっちにいくわけにはいかないよな。
お前を知ってる人間がいなくなったら、お前という存在が消えてしまう・・・。
俺はここに残るんだな・・・そう、今は。
この身に刻まれた痛みを抱えて。




『生きてほしい・・・』




酷く瞼がまぶしいのを感じて、そっと目を開く。
カーテンの隙間から朝日が差し込み、俺が身を預けていたソファーを照らしていた。
昨日まで降り続いた雨はとうとう止み、外からは学校へ向かうのであろう子供のはしゃぎ声が聞こえる。
同時に、二階から怜の感極まった深紅くんの名前を呼ぶ声が聞こえて、ここが現実世界であることを尚実感した。
一つ大きく伸びをして、ソファーから立ち上がる。深紅くんの部屋のドアを開けた怜が吹き抜け廊下から身を投げ出し、涙をボロボロと流しながら俺に手を振っていた。

生きている。

俺も、怜も深紅くんも。同じ痛み、同じ欠片を抱いて。
怜に手を振り返して窓の外を見上げ、小さく呟く。誰にも聞こえぬように。

「・・・さよなら、優雨・・・・・・。いつか、俺がそっちへいくまでは・・・」



「螢さん!終わった!終わったんだよおおお!!」

背後で怜のもはや叫び声とも思える声が響き、振り返った俺の目に映ったのは、スリップだけというあられもない姿のまま涙で顔をぐしゃぐしゃにして、今まさに吹き抜け廊下を飛び降りようとしている怜の姿だった。

「おい怜あぶな・・・おぐふああああぁぁああああ!!!」

 


 そしてしい雨は止む

 雨までさらって逝った優しい君を
俺はその身に刻みつけよう。君の欠片として
 

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遮那々(しゃなな)
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性別:
女性
職業:
プチ軍オタ主腐
趣味:
ゲーム、物書き、妄想、自衛隊イベント探索、お菓子作り
自己紹介:
零の親友トリオとSIREN2の自A隊をを心より愛するただの腐ったナマモノ。
特にヘタレ螢叔父さんが大好物の様子。
SIREN2では沖三永スコップ。
ホラー、サスペンス、オカルトが大好物の物書きナマモノですが、怖いのは苦手です。
もっと文章上手くなりたいと思いつつ、閃きで書いてるので一向に上手くならない様子。

ミリオタ女の下っ端端くれでもあるので、時々そういうネタも投下するかも?右でも左でもありませんよ!

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